映画に見る社会の生き方

こんにちは、浅井健二です。

突然ですが、映画をよく見ます。ジャンルは問わず何でも見ますが、その中でも最近は男女逆転大奥にハマっています。

よしながふみの漫画が原作なのですが、たびたび映画やドラマ化されています。いくつか作品がある中で、私は家光・有功編が好きです。最初は有功に焦点が当てられているのですが、有功に対して理不尽な扱いをする家光にも暗い過去があり、寄り添うように愛をはぐくんでいく様子は何回見ても泣いてしまいます。

ラブストーリーとしてだけでなく、社会での生き方を学べる教訓のような作品としても見ることができます。たとえば家光・有功編であれば、家光の乳母である春日局が、男性である本来の家光亡き後、どうにか徳川の世を続けるために私生児だった千恵(女性の家光)を囲い将軍として躾けていきます。千恵からしたら突然家族を殺され家からも連れ出され、知らない人ばかりのところで一生生活することになったのだからたまったものではありません。でも、時代背景や設定を考えるともはやそうするしかないのです。春日局の行動は物語上正しいと思います。

千恵も次第に自分の運命を受け入れ、有功という最愛の人を見つけたことから将軍として生き、将軍として死ぬことを覚悟します。自分にできることとできないことの分別をしたというところでしょうか。それも社会で生きていく上で大切ですよね。

次第に政への才覚を見せた千恵は家光として将軍の仕事をこなしていきます。時に柔軟に、時にシビアに。そのバランスも絶妙だったと思います。

他の将軍のエピソードも面白く、参考になる部分が多いです。興味がある方はぜひ一度読んでみてください。

他では、右衛門佐・綱吉編も面白いです。綱吉といえば天下の悪政といわれた「生類憐みの令」を発令したことで知られていますが、この作品では綱吉の父親が深く関与しています。綱吉の女性としての苦しみもあり、やはり涙を誘います。年齢的に若くはない二人の話ですが、それでも心に響きます。こちらもぜひ読んでほしい、見てほしいエピソードです。